「残業が減らないのは家に帰りたくないから」の背景にある夫婦のパートナーシップを考える

  • 2016年05月16日

今週の日経ビジネスの特集で「残業が減らないのは家に帰りたくないから」を読んだ。

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日本人が残業せずに早く帰りたくない理由として、次の2つをあげている。

 

1)日本では残業することで出世可能性が高くなる
2)帰っても、ろくなことがないから
(家事をしたり、妻とのコミュニケーションが面倒)

1については、企業側の人事・組織改革で、時間当たりの生産性を測ったり、残業を減らす取組みで制度・風土改革しているところ。

しかし2についてはこれは夫婦や家庭内でのパートナーシップの問題で、企業側の制度や施策ではどうしようもない感じ。日本の場合、特に首都圏は帰宅するまでの道に誘惑が多い。実際、記事のなかには「ノー残業デー難民」の終業後の実態が描かれていた。

 

この記事を読んでママ友との呑み会では必ずと言っていいほど出る「夫は平日は帰宅が遅くて戦力外」問題を思い出した。

ママ友との呑み会では夫との関係性に悩む?諦めている?話の数々は必ず話題に上がる。ママ友の呑み会では、定例のアジェンダだ。

でもその度に思うのだけれども、人生を共に歩むと決意した人との時間をやり過ごすしかない女性が多くて、余計なおせっかいだけれどもいつも悲しくなる。

出産後にできてしまった夫婦の綻びは、年数を経てふか〜いふか〜い溝になっていく。妻側にとっても諦めるしかない状況に追い込まれているケースもあるけれど、それが結局男性が家事をしないことにも、地域に男性が参画しないことにもつながっているのではないかと思う。

 

相手を固定概念で見ずに、諦めずにコミュニケーションして意識を変えていってもらうことには労力がいる。だから面倒くさくて諦めてしまう気持ちもわかる。

だけど世界で一番最小単位の目の前の人との関係性を育むことを諦めていることを、子どもはどう感じ取るだろうか。

私はやはり夫と仲良くいたいから、夫婦関係を育むことを怠りたくない。夫との関係を育むことが難しくなったら、無理に一緒にいなくても大丈夫なように経済的に自立し、自分の人生を歩めるようにしたい。

 

家事や子育てに参画してほしいから、早く帰ってきてほしいという時間物理的な要求だけでは男性も食指が動かないと思う。私が男性の立場でも、家事をやるためだけに帰るのは面倒だ。でも家族として夫婦としてあなたと過ごす時間を必要としているのよと伝えられたら、どうだろうか。男性だって家庭のなかで居場所があったり、妻から子育てのチーム一員と頼られていたら、悪い気はしないはずだ。

 

男性は察することが苦手な生物。「察して何も言わないでもやってほしい」は生物学的に無理。だからこそ、家庭や地域社会で夫の居場所や出番をつくるのは妻の役割が大きい。何かをお願いしてみたら、意外と素直にやってくれる男性は多いと思う。

意外と妻の本心を知らない夫は多い。諦めないでコミュニケーションしてみてほしいと思う。